タカシサトウ

グリーンブックのタカシサトウのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンブック(2018年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

 1962年のアメリカ、用心棒のトニー・リップ(ヴィゴ・モーテーゼン)と黒人ピアニストのドン・シャーリー(マハーシャラ・アリ)の黒人差別の南部を回るロードムービー。

 私にはあんまり残らなかったが、心温まる話。トニーが、用心棒で何でも出来、黒人へのこだわりなく、少しいい人過ぎるのが気になるが、ドンと段々気持ちが通じて行くのがなかなかいい。トニーのヴィゴ・モーテーゼンの存在感はさすがだった。

 ドンは、黒人ピアニストとして、敢えて、過酷な差別がある南部を旅することと、自分は、黒人でも白人でもない、と辛さをトニーに訴えて近づいて行くの所が圧巻。才能が開花している彼が如何に孤独であるかのプロットはよくよく分かる気がした。

 そして、トニーが妻ドロレス(リンダ・カーデリーニ)に送る手紙のロマンティックさとか、それが、誰が書いたか分かっていたラストとか、なかなか泣かせる。

 考えてみると、文句の付け所がない、一方で、サラッと観れてしまったのが少し残念。むしろ、芸術家であっても南部では酷く差別されることには驚いた(2022.12.3)。