スマートな黒人ピアニスト・シャーリーと
乱暴で素行がよくないトニーが
ゆっくり育む友情に、穏やかな気持ちになった。
日常に自然に溶け込んでしまっている黒人差別に
静かに耐えているシャーリー。
彼の運転手になったトニーは演奏に惹かれて、
突っかかってくる奴らを追い払って、
情に厚さが見えてきてから、どんどんいい奴に。
二人でケンタッキーフライドを食べているシーンがいい。
お上品なシャーリーが「衛生面に問題がある」と戸惑いながらも従順に食べている。
信念に貫く堅物なシャーリーにも、かわいげがあった。
終始「差別はよくない」と見る側に思わせておいて、
警官への偏見もあることに気づかせるシーンは、
気づきもあったしウィットに富んでいた。
「この帽子は命懸けで守るんだ」
「ドイツ野郎はこすっからい」
「品位を保つことが勝利をもたらすのだ」
「やっぱり持ってた」
「手紙をありがとう」