くま五郎商店のおかみさん

グリーンブックのくま五郎商店のおかみさんのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

映画好きさんのオススメで鑑賞。
薦めてくれてありがとう。

まず、音楽が好き。
生演奏が心に響き渡っていた時代の世界観。
ピアノの演奏はもちろんだけど、場面ごとに流れる音楽もとても素敵。
そしていつも感じるこの時代のファッションとクラシックカーの魅力を堪能。

黒人っぽくない黒人ドン。
黒人より黒人っぽい白人トニー。

「黒人と白人」「人種差別」と洋画には常に関わってくる重厚なテーマだけど、やはり教科書で習った程度の知識では計り知れない。
北部より南部の方が差別はひどかったのか、とか。ナット・キング・コールでさえも差別されていた事実。
演奏は知的優越感から受け入れても、日常は差別して当たり前の世界。

トニーとドンの、根底に2人が向き合い、思いやっているからこそのぶつかり合いがたまらない。自分のために他者に対して怒ってくれる存在。
お互いに人種どうのでは無く、人としてリスペクトし合いともに変化していく様が丁寧に描かれていて良かった。

最終的に温かく受け入れてくれるトニーの家族。クリスマスパーティーのシーンは感動。

だが実際には家族、特に偏見の塊の様な昔ながらの思想を持つ父親など、ここに至るまでの心情の変化は複雑なものがあったんでは無いのかなと推察。

「寂しい時は自分から先に手を打たなきゃ」

粗野なトニーの根っこの素直さ、純粋さを感じるひとこと。
こんな屈託の無さに触れ、ドンの心も開放されていったのかな。


【おかみさんのゆるっとポイント】

⭐︎奥さんが可愛い!
とってもチャーミング。
寛容さも素直に拗ねちゃう愛らしさも魅力的。

⭐︎ケンタッキー
骨は捨てても、紙バケツはダメ。そしてちゃんと言う事にしたがう素直なトニー。

⭐︎生真面目 VS 粗野
チキンを手で食べられるようになったドン。
ロマンチックな手紙を書けるようになったトニー。
人と人との摩擦で生まれる、世界がどんどん広がる瞬間。
出会いって、いいな。

とにかく、観て良かった!