サルタタタン

グリーンブックのサルタタタンのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンブック(2018年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

なんか表層的な感じがしてビミョ〜、特にトニーの人格は現実味がない(実話を元にした作品にこれを言うのも変な話だけど映画にするにあたって脚色や肉付けはしているだろうと思われるので)。でも面白いところもあったし楽しめました。
ドクのアイデンティティに関する語りを聞いて、オバマ元大統領が初のアフリカ系大統領になったときにオバマ氏がハワイ出身で、奴隷の子孫ではなく、実際にスラムで生まれ育ったようなアフリカ系アメリカ人の層とは異なるという点でその就任はそれほど画期的なことではないという意見もあったことを思い出しました。また、トニーが白人のなかで差別されることの多いイタリア系であることもドクとの対比が明確で、二人は様々な点で「越境する人」だと思います。物理的にも北部から南部へ越境していますし、最後の運転はドクがやって、トニーが後部座席で眠っていたのも印象的でした。
演奏旅行の最後のレストランのシーンで、ドクがトニーに対して「君が望むなら演奏しよう」と言うところはすごく良かったです。なんてゆーかドクが自分の意思で南部に演奏旅行しに来て、徹底的に北部的に振る舞うのも、南部の差別に逆らわないのも違うよなとこの映画の色んなシーンで思ってたんですが、そういうのを掬い上げたのがあのシーンでした。あの言葉がこの映画の結論かなと私は思いました。