kon

グリーンブックのkonのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.5
よくあるテーマではあるが非常に洗練されていて、全く飽きない。

演技力◎

黒人差別に悪い意味で慣れてしまっている孤独な天才ピアニスト、生真面目ドク
貧乏で手の早いトニー

差別をテーマにしている点は最強の二人に似ているが、本作の方がお互いに影響し合い変わっていく様が丁寧に描かれている。

ただ、トニーが金のためとは言え受け入れ姿勢に入るのは結構唐突には感じた。
ドクも温室育ち過ぎやしないかと。

物議を醸していた部分については
トニー自体は手紙が上達して、偏見の辛さを理解し共感できるようになった程度の変化だが、ドクへの影響は計り知れない。
黒人でゲイで家族もなく孤独、因果関係はともあれ才能以外で頼れるものがない。
ここが白人目線の作品と揶揄されていたところだろう。
ただ、序盤はトニーを主人公とした物語だが、トニーは中盤にはもうドクを受け入れている。
中盤以降の主人公はドクに完全にシフトしている。
孤独に根差しているドクが、怒りを表に出せるようになり、トニーの助言の通りに自分から動きトニーの元に帰ってくる。
人種云々ではなくドクの葛藤と成長を描いてる物語だ。
実話らしいのでそこに関してズレがあるかはわからないが、トニー目線で見るドクの物語として感動した。
トニーのジョークはいちいち面白い。

槍玉に挙げられてるようだがチキンのくだりかなり好き。
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