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グリーンブックのyamatakeのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.8
2019/劇場鑑賞74本目

舞台は60年代のニューヨーク。イタリア系移民で高級クラブの用心棒をしていたトニーは、黒人天才ピアニストのドン・シャーリーから南部でのコンサートツアーの付き人を依頼される。人種や性格が違うデコボココンビが、ツアーを巡る度に相手を理解し、自分自身を見つめなおしていくロードムービー。

これほんと良い映画でした。人種差別の問題を土台に、トニーとシャーリーの友情をコメディタッチに描いてます。
で、監督が『メリーに首ったけ』のピーター・ファレリーさんという人なんですが、このひとコメディばっかり撮ってます。けど彼の作品には身体障害者とかマイノリティの人が登場してて、けっこう社会派の監督なんですよね。彼の作品を見直したいです。

本作で描かれるのは移民と黒人ていうマイノリティ同士の繋がりなんですが、『ビールストリート』みたいに胸アツですよ。
で、二人の関係性も良いんですが、それぞれのキャラ設定も完璧です。
トニーはイタリアンファミリーの親戚達との繋がりが厚く、陽気な人柄です。腕っぷしが強くて口が上手く、食いしん坊で奥さんや子供たちに優しいっていう完璧パパさんなんですよ。ちょっと下品なとこもありますがホントに可愛えぇんです。惚れました…

シャーリーは幼少期からピアノの英才教育を受けていて、めちゃくちゃ上品で真面目な性格です。カーネギーホールの上階にある豪邸に住んでるんですが、ツアーなどで家族と疎遠になり、彼の才能に嫉妬した兄からは決別されてます。妻とも離婚しててめちゃくちゃ孤独なんですよ。ボヘミアンの時のフレディみたいな感じですね。あと黒人なんだけどクラシックの英才教育を受けてたから黒人の文化に疎いっていうのも気にしてるんですよね。

シャーリーは勇気をだして南部でのツアーをすることで、1人の黒人としての自分を見つめ直そうとします。その途中で、軽蔑していたトニーの優しさに気づきます。
トニーは黒人への差別意識があったんだけど、南部の強烈な黒人差別をシャーリーが受けるのを見て考え直していきます。
それでデコボコだった関係が徐々に平らになって最後はファミリーになるんですよね。ほんっとにアツい。アツ過ぎる…。

こんなめちゃくちゃ感動映画なんですが、他の作品に例えると『最強のふたり』と『リトル・ミス・サンシャイン』ですかね。あと隠し味に『おっさんずラブ』ですw

あとオチの時期がクリスマスで、劇中にKFCのチキンがいっぱいでてくるので最強のクリスマス映画です。

「ちょっとの勇気をだすことが大事」を心に留めて生きていきます!
ベスト入り確定!
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