2つの宿泊先で垣間見えるドクターの孤独が、綿花栽培農場を経て、豪雨の中で爆発するシーンと、教養と率直さを互いに尊び敬う手紙のシーンが印象に残りました。
世慣れた愛すべきイタリアンを演じたヴィゴ・モーテンセンと、陰と品格のある天才ピアニストを演じたマハーシャラ・アリが、作品の重さと軽さを見事にコントロールしていた気がします。
アカデミー賞受賞に関しては政治的という批判もあるそうですが、2人の俳優の演技に、その評価は無用だと思います。
差別や偏見がいろいろな形で現れるように、それを作品として表現する手法も、深刻なものだけが正しいわけではないですしね。