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グリーンブックのmovieJackのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.2
お互いの欠けている部分
生い立ちや環境(貧富や教育)の違いから相手の立場や思考を徐々に理解し
友情を深めてゆく
「最強の二人」の人種
逆バージョン的な作品を想像していたが

アカデミー賞
作品賞
脚本賞
賞助演男優賞(マハーシャラ・アリ)
受賞

喜怒哀楽
全ての感情が過不足無く
また人種やセクシャルな差別・偏見
移民問題等も表現され
逆転劇風な爽快感は無いが
笑いあり
涙あり
憤慨あり
高揚感ありで
受賞も頷ける良作

天才ピアニストのドン・シャーリー役
マハーシャラ・アリは
最近彼の出演作をよく観ており
唇を噛み締める仕草からの微笑みと
物腰の柔らかい印象を持っていたが

今作ではスタイルの良さが引き立つ衣装と
漂う上流階級の立ち振舞いや話し方
強い信念と行動力
その反面垣間見せる人間的な素顔
自暴自棄的な行動や多くの苦悩を滲ませる好演には
今後益々出演作が増え
黒人俳優と言えば彼という日も近いのではと感じられた

一方ドライバー兼ボディーガード
トニー・リップ役
ヴィゴ・モーテンセン
冒頭、帽子の件から計算高く切れ者だが
ズル賢く信用できない人間(絶対に友にはなれない)という印象を受け
金銭的のみの契約から徐々に人間的な関係に変化してゆくという役どころで
素直で家族想いで気は優しくて力持ち的なキャラだと思うが
酸いも甘いも知るNYのクラブの用心棒が
道中の問題行動は小石の万引きのみで
久し振りに1人部屋のホテルを転々としてお金も少しあり
少し脱線するか直前で妻にバレる…等々のシーンが全く無かったのは少し綺麗過ぎるかな…とも思えた(ティッツバーグの前フリに期待したのは私だけではないはず…)

やはり一番の聖人は彼の妻
全てお見通しの姉さん女房なのか
ラストのハグシーンは素晴らしく
契約前の電話ではドンが何か素敵な言葉を伝えたのでは…との憶測も感じられ
この二人の信頼感や今後の家族的な関係
周囲皆の認識の変化が感じられる
素敵な余韻が残った

余談ですが
先日の星野源さんのオールナイトニッポンにて「出来るだけ日頃からハグをしようと思っています…」と発言されており
確かに恥ずかしがらずにヤルべきっ💦
と実感した今日この頃
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