1962年、粗野で無学のイタリア系運転手のトニーと、インテリで天才黒人ピアニストのドクが、人種差別が色濃く残るアメリカ南部への演奏ツアーに旅立ち、トラブルや衝突を乗り越え熱い友情を結んだ、実話に基づくヒューマンロードムービー。
まず『グリーンブック』なる物が存在してたことが驚きで、それが"普通"だったことに愕然としました。
人種差別をテーマにした作品は、悲惨だったりショッキングな描写が出てきたりすることあるのでハラハラして観てしまったんですが、こちらは重すぎにならずに、仕事の依頼者という枠を超えて大切な友達を守るトニーの目線になって観れるから、後味爽やかでよかったです。
観終わって、監督が『メリーに首ったけ』などのコメディの名人と知って、作品のテイストに合点がいきました。
(ロード・オブ・ザ・リングでアラゴルン派だった私はヴィゴばかり注目していて、監督ノーチェックでした…w)
全編通して、ところどころで小笑いから大笑いあり、涙ありで「いいお話」全部載せという感じのハートウォーミング感でした。
トニーが見せてくれた、相手のよいところを尊敬する素直さや、理不尽に立ち向かう勇気。
また、ドクが見せてくれた、品性での応酬や、揺るぎない真っ直ぐな信念や誇り。
自分もトニーとドクと一緒に旅を経て、出発前から何だかちょっと成長したように思えました。
何気ない会話や小道具も、終盤に全部収束して効いてくるのが素晴らしいです。
それから、トニーの奥さんステキ!
ラストは最高にナイスでした!
★1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブ、コパカバーナで用心棒を務めるトニーは、粗野で無学だが、腕っぷしとハッタリで家族や周囲に頼りにされ、愛されていた。
ある日、トニーは天才黒人ピアニストの運転手としてスカウトされ、差別の残る南部での演奏ツアーに同行することになるが、、。