まほ

グリーンブックのまほのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

「この映画は実話である」
ストーリーの終わりに実はそうだったんだと提示する作品が多い中で、この映画は冒頭にこのテロップが踊ります。
この痛みをその身で共に感じて欲しい、そうやって製作者に問題提起をされたようでした。

ほぼ単一民族で構成される日本では、幸運にも人種による差別を受けることはほぼありません。
差別問題に疎いせいもあり、世界には黒人専用のホテルやガイドブックがほんの数十年前には存在していたなんてことを、無知な私はこの映画を見るまでひとつも知りませんでした。
どんどん酷くなる環境や当たり前のように「伝統だから」とされる差別に、ドクだけでなく見ているだけなのにひたすら苦しくて辛かった。
それでも差別には怒りではなく、上品に静かに抗議をして戦わねばならない。

黒人差別だけではない、移民への差別やセクシャリティーの差別もある。
そうやって何重にもなる差別の輪を丁寧に描いて、支え合って立ち向かうふたりの姿に感動しました。
ラストシーンもすっきり。
まほ

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