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グリーンブックのtoncoのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
4.7
文句のつけようのない面白さ。黒人差別をテーマにした重い作品なのかな?と思っていたけど、そんなんではなかった。
中盤からは、「もしピアニストの指が折られたらどうしよう」って心臓バクバクさせながら見てたけど、無用な心配だった。

物語は、ナイトクラブで用心棒を務めるトニーが、その腕っ節を買われて、黒人ピアニストの運転手にスカウトされるところからスタート。

トニーのキャラクターは聖人君子ではなくて、実に人間的。ケンカは強いけどガサツだし、言いたいこともずけずけ言う。品格を重視するピアニスト・シャーリーとはまるで真反対。でも、トニーには、とんちがあるってところがミソだと思う。

それはオープニングのシーンから描かれていて、こんなハッタリ上手、交渉上手な人は敵には回したくないけど、味方になればすごく心強いだろうなと思わせてくれる。じっさい旅の道中、彼はめっちゃ頼もしい。裏表ないとこがまたいい。

性格真反対の2人が、旅中に起こる困難をともに乗り越えて心通わせてくところを、性急すぎず、じっくり描かれていて、こっちもどんどん2人を好きになってく。

いくつかのレビューを見て…
差別の歴史や残酷さを訴える…というよりは、異なる文化や価値観を理解する上で近道はない、まずは目の前の人を知るところからっていうのがメッセージなのだなと。

それからシャーリーが、信念を持って、成すべきことを成そうとする姿。そばにいれば誰だって応援したくなるよね。
人としてこうありたい、って思えるセリフやシーンがいっぱいあった。
あとトニーの奥さんが、できすぎだった。
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