ーcoyolyー

グリーンブックのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

グリーンブック(2018年製作の映画)
3.0
何かを表現したいよりもまず賞レースの勝者になりたいための予定調和の傾向と対策だけでできた映画でした。今この題材!そこにこんな要素も盛っとこうこれもこれもほらもうこれでポリコレ棒で殴られないしポリコレ的に賞与えなきゃ罪悪感持たせちゃうよね!という筋の悪い恫喝映画。いやもう本当こういうカマトトぶった学級会愛好者大好きそうな映画嫌い。趣味の金にならない映画撮るために割り切ってこれでがっつり金稼ぎますかと「ウルフ・オブ・ウォールストリート」撮りに行ったスコセッシ見習えよ。
でもこれ差別テンプレ傾向と対策がっつり練ってるので黒人差別じゃなくて他の被差別者にも置換可能なんですよね、それで黒人のところ女性に置き換えて見てみると、ああ私もずっとこんな扱い受けてきてる(現在進行形)とぞくっとしました。夜に一人で外で歩いちゃいけないってそれ本来は襲う人が悪いわけよね、自衛しなきゃならない世の中が悪いわけよね。女だから入っちゃダメとかもよく言われて育ってきてて、でもそれは黒人差別としての可視化された構造とは違う曖昧な形で差別してる側の意識には上らないように隠蔽されてて余計卑怯なことになっていたりもして、世の中は健康な白人男性だけのものなんですよね今も実際。その人たちの普通は明らかに恵まれてる「普通」だけど、本人たちは恵まれてる部分に気づいてない、被差別者を殴りつけながらかすり傷を見せて「俺だって傷を負っててこんなに痛いんだ!」と主張するような状況どうやったら改善されるんでしょうね。まるで品位のかけらもない人に引きずられてその人に近い反応すると自分だけその瞬間に袋叩きに遭うような状況、いつまで続くんでしょうね…
ーcoyolyー

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