TAK44マグナム

海底47m 古代マヤの死の迷宮のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

4.2
サメはいい。
絶対安全なところから眺めるぶんには。


海底に眠る古代マヤ文明の遺跡を探検していた女子高生たちが凶暴な人喰いザメに襲われる海洋パニックスリラー。
「海底47m」の続編ですが物語上のつながりはありません。
監督は前作と同じくヨハネス・ロバーツ。
主演は「クロース/孤独のボディガード」等のソフィー・ネレッセ。
キャスト陣の多くはあまり知られていないですが、ジェイミー・フォックスの娘であるコリーヌ・フォックス、そしてシルベスター・スタローンの娘システィーン・スタローンが出演しております。
どちらもお父さんの面影がバッチリありますね。


いじめられっ子の女子高生ミア。
ある週末、彼女は異母姉妹のサーシャ、その友人であるアレクサとニコールの4人で秘密のスポットに遊びに行きます。
そこは自然がつくりあげた素晴らしい場所で、海底には発見されたばかりの遺跡がありました。
アレクサの提案で遺跡を少しだけ探検しようとダイブ、はじめは順調に楽しんでいた4人。
しかし、迷路のように入り組んだそこは、盲目でありながら超感覚をもつ人喰いザメの巣窟だったのです。
4人は何とか海上へ戻ろうと必死になりますが、人喰いザメの容赦ない襲撃に疲弊してゆきます。
酸素の残りも少なく、迷宮化した狭い通路や猛烈な潮流も行く手を阻み、絶体絶命。
はたして彼女たちは生きて再び地上へ戻ることができるのでしょうか・・・!?


昨今のサメ映画は、たんに凶暴なサメがでてくるだけじゃなく、何かしら特殊能力があったり、キャラクター性を付加させたサメで勝負するような風潮が主流ですね。
そこで本作に登場するのが「盲目のサメ」!
海底迷宮に閉じ込められた為に視力を失い、代わりに超感覚を身につけたデアデビルみたいなホホジロザメが女子高生を喰らおうと襲いかかってきます。
誰もが思うことでしょう。
そう、スティーヴン・ラングが「ドント・ブリーズ」で演じた盲目爺さんのサメ版じゃないですか!
動かなければやり過ごせるにしてもずっと動かないわけにはいかず、じっとしているだけで酸素を失ってゆくというシチュエーションからして恐ろしい。
サメに襲われるリスクがあっても前に進み続けるしかないのですから・・・
ただ、その設定は悪くないのですけれど、盲目サメがキャラクター性を存分に発揮できているかといったらそこまででもなく(汗)

しかし、サメが襲撃してくる場面が良い!
何というか、「ヌ〜〜ッ」と、音もなく後ろから近寄ってくるんですよね。
もう、「志村、うしろ!うしろ!」ですよ(←古い)
いきなりズバッと出てきて人を咥えて去ってゆく定番のパターンもありますが、個人的には静かに後ろから迫ってくるパターンの方が怖かったです。
サメの近くを泳いでいる擬似体験が出来ました。


内容は単純なサバイバルものなので、あまり余計な枝葉をひろげず娯楽作品として観易かったです。
海底遺跡探検をひとしきり楽しんだあとはずっとサメに追い立てられ、ピンチの連続。
「やっと助かった!」と思っても、しつこいぐらいに危機また危機。
特にラストの攻防は予想しなかった展開で面白かったです。
観たら分かると思うのですが、終盤では盲目ザメが不在になってしまうのでそのキャラクター性を完全に犠牲にしてしまっています。
でも、それを踏まえたうえでサメ映画としては斬新なクライマックスに驚けました。
ただ、そこまでやるかってぐらいにとにかくしつこい(苦笑)
最後は苦笑いしながら観ていましたよ。


既にオワコンの様相を呈していますが3Dで製作してくれたらもっとエンタメ感が増して楽しめたと思いますし、今ならVRに最適な作品ではないでしょうか。
そういった意味で、大きなスクリーンで観ることに意義があるので出来れば劇場鑑賞を推奨します。
また、この手の作品は水に囲まれたような音響設計がなされているので、やはり劇場だと臨場感が違うと思います。

個人的に「ロストバケーション」や「ディープブルー」と同様、真面目に作ったサメ映画としてオススメできる一作。
スタローンが復讐のために盲目ザメを重機関銃でバラバラにする続編を希望します!


最後に。
あの遺跡は海底47メートル地点にあったの?(苦笑)


劇場(イオンシネマ海老名)にて