クマヒロ

キム・ポッシブルのクマヒロのレビュー・感想・評価

キム・ポッシブル(2019年製作の映画)
2.9
『アニメと実写の狭間』

ディズニーチャンネルのアニメでやっていた「キム・ポッシブル」
そんなことも知らずに飛行機内の余った時間で鑑賞。

ディズニーチャンネルならではか、画面全体的に安っぽさがあり、そこがかえってアニメーションから飛び出してきたかのような印象を強くしている。
冒頭のスライムのシーンの表現が、アニメっぽいのもそこを狙ってのことだと思われる。

キムが落ちた紙を拾うときのアクロバティックな動きは、アニメのオマージュなのか知らないが、実写で見るとこれまた違和感。

このように画面全体に違和感が漂う本作だが、中盤からジュブナイルものとして面白い展開を見せ始める。
親友の能力が開花し、自分を抜かす。主人公は劣等感に苛まれ始めるのだ。
ジュブナイルものブームの今、見ると作品の比較がしやすく、興味深い。

ヒーローとして輝く親友と、普通の人に成り下がった自分。
自分とは何か、自分を表現するとは何か。
ヒーローとしての自分の存在意義を考える過程は「スパイダーマン」を彷彿とさせる。

しかし、結局は「私たち、友達だから!」で終わってしまう本作。
ありがち展開な上に、中盤の期待値が大きくなった分、残念。

分析家のウェイド、アニメだと必要かもしれないが、実写であれだけ人の生活を監視するキャラクターいるとだいぶ気持ち悪い。
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