りょうすけ

愚なる妻のりょうすけのネタバレレビュー・内容・結末

愚なる妻(1921年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

「愚なる妻(143分)」

第一次世界大戦直後のモナコ公国モンテカルロ、軍服の男カラムジン伯爵と名乗る男と2人の女。彼らは詐欺グループで次の獲物であるアメリカ外交官の妻に近づこうとする。
鑑賞中はよくわからなかったが、カラムジンはいろんな女に手をかけていて、障がい者の女や家政婦もまたその内の一人だったようだ。
女の嫉妬とは本当に怖い。家政婦の女はカラムジンと外交官の妻の恋仲に嫉妬し、彼らを建物に閉じ込め火をかける。この時の爪を噛みながらの表情は忘れられないほどショッキング。
そして彼女は崖から海に身を投げる。このシーン、逆光なのか、家政婦のシルエットは真っ黒に映る。この演出が恐ろしく、また哀しさを倍増させる。2時間半弱の上映時間全体で、このシーンと雨の中のボート、そして火災の3つシーンだけで、シュトロハイムの芸術性を理解するのには十分すぎるほどだった。
主人公カラムジン伯爵を演じたシュトロハイムがとても素晴らしかった。胡散臭いけど、女が彼に惚れ込む理由もなんとなく理解できる。まさに詐欺師の風貌だった。
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