近本光司

ドンバスの近本光司のレビュー・感想・評価

ドンバス(2018年製作の映画)
3.5
セルゲイ・ロズニツァとはロシア語の読みで、ウクライナ語ではセルヒー・ロズヌィーツャと発音するという。日本の配給者へのインタヴューで、本作緊急公開にあたって監督の表記もウクライナ語に改めるべきかとプロデューサーに尋ねたところ、いま生じている惨劇は言語ではなくあくまで善悪や植民地主義の問題であり、ロズニツァの母語は何があろうとロシア語なのだから、従前で構わないという回答があったという。フェイクニュースをめぐる省察といいたいへん興味ぶかく観ていたのだが、しかしカメラの人称の問題が気になってしまって集中できなかった。ほんとはカメラの政治学についても踏み込めたのではないかなあ。