伊達巻

モルゲン、明日の伊達巻のレビュー・感想・評価

モルゲン、明日(2018年製作の映画)
4.0
冒頭で「ドイツと日本の違いは何か」と問いかけるようなシーンがあって「それは気になる」と構えていたんだけど、特に日本の環境政策や経済について触れるところは福島原発への言及以外は殆どない。
しかしだからこそ、この映画でいかにドイツが「脱原発」という理想への意欲を掲げ、そして現に行動に移して(移せて)いるのかってのを実感し、改めて我々が生活するこの日本国のそれと対比せざるを得なくなる。
ドイツのエネルギー政策に関しては草の根の動きがここまで活発に行われているとは知らなかったし、その点をこれでもかってほど多様な観点から、つまりは市民を始めとして政治家や活動家、さらに学生の意見をインタビューを通して聞けたのは大変有意義であったし何気ない台詞の節々に学ぶべきヒントが多々あった。

環境政策は左派と括られがちだが本来なら右左関係なく環境は十分すぎるほど考慮されるべきだし、むしろ経済が環境に優先されることなどあってはならないはず。そしてそのバランスを保つには随時先見的な議論が行われるべきであるが、兎にも角も常に「地球のための」経済を考える視点を欠いてはならないと痛感させられる。

唯一笑えるのは人差し指オンリーでめちゃくちゃタイピングが早いおじさん。
伊達巻

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