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モルゲン、明日のchinkurisamaのレビュー・感想・評価

モルゲン、明日(2018年製作の映画)
4.7
監督の舞台挨拶のなかででてきた「巻かれながら巻き返せ」という言葉にとても勇気を与えられた。一般市民の意識と地道な行為こそが重要なのだ。

ドイツ人が歴史から学んだ「自分で考え自分で行動する」という精神に日本人はなかなか至らない。ただ、日本人には日本人の良さがある。波風を立てず、なんとなくのコミュニティで、なんとなく平和な雰囲気で(もしかしたら意図的に)ぼーっと生きている。しかし平和であってほしい、より良い世の中になってほしい、とは常に心の奥底で抱いている。それを行動に移すことはなんだか自信もないし恥ずかしいし人任せになってしまう。監督も仰っていたが、「出る杭は打たれる」そういう風潮は確かに根付いていると思う。

こういうすばらしいドキュメンタリー映画を鑑賞するチャンスに恵まれて、少しでも感想を述べてみる、これは世の中に対する超微風ではあるけれど、無風よりずっと良いかな、と自分をまた甘やかす。私もずらりと並んだ杭のひとつだけれど、じわりと熱くなってみる。

ドイツの学生の「政治は経済のことばかりに重きを置いて、環境問題を置き去りにしている。環境問題は基本だからもっと関心をむけるべきです」という言葉が印象に残る。基本かぁ。確かに。普段の過ごし方を見直すきっかけになった。物を買うだけの休日は終わりだ、自然の中に身を委ねて過ごそう。
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