Tラモーン

PTUのTラモーンのレビュー・感想・評価

PTU(2003年製作の映画)
3.7
U-NEXTはジョニー・トー作品が少ないんよなぁ。


舞台は香港。現金輸送車が襲われ警察官が死亡したニュースが流れる中、ホン隊長(サイモン・ヤム)率いるPTUたちが夜勤に就く。ちょうどその頃、組織犯罪課のサァ刑事(ラム・シュー)は火鍋屋で食事中、チンピラに車に傷をつけられたため追いかけていると、バナナの皮を踏んづけ転倒し気を失う。ホンたちに助けられ、目を覚ますと腰のホルダーには拳銃が無い。昇進を控えたサァは拳銃紛失がバレる前に問題を解決しようとホンに協力を求める。しかしその頃、サァが食事をしていた火鍋屋で殺人事件が起こり、より複雑な事態となっていた。


バナナの皮???????
なにそのあらすじ??????
と思ってたら本当にバナナの皮踏んで刑事さんがピストル無くすとこから始まるので笑ってしまった。

そのうえ、ストーリーの主軸は「昇進決まっとるのにチャカ無くしてもうてん…。なんとか今晩中に見つけるさかい、手伝ってぇや…」という中間管理職の保身のための巻き込み隠蔽事件なんだよなぁ…笑。

それを何故だかカッコよく撮ってしまうジョニー・トーの腕には脱帽ですけども。

拳銃紛失事件と、殺人事件の捜査、そしてマフィア同士の怨恨(とデカいヤマと、しょうもない子ども泥棒)が絡み合ってガイ・リッチーの『ロック・ストック〜』のような展開になっていくのは意外性があって面白かった。

ラスト15分くらいで一気にスカッとして気が抜けるのでネタバレは無しで。

ベテラン刑事サァの足元を掬われて焦る姿が滑稽なようで、サラリーマンなら一度は味わったようなあのヒヤヒヤ感は共感すらしてしまう。
殺人事件の捜査で優秀っぽい若い警部のチョウ(ルビー・クワン)にはなんだか怪しまれるし、中も外も敵なのかよ。

そんなサァを助けるホンは真面目なPTU隊長なんだけど、そもそもなんでサァを助けてやろうと思ったんだろ。仲良いのかな。

全体的にどんなテンションで観たらええねんという作品ではあるんだけど、サイモン・ヤムがいちいちカッコいいのと、画面の雰囲気がとにかく渋いのでスタートがしょうもない事件なのを忘れることもしばしば。というか絡んでくる事件の数々のほうがよっぽど大事件なんだけど。

終盤の食堂からサァが逃げ出すシーンはカッコいいんだかダサいんだかわかんなくて笑った。

とはいえラストの銃撃戦がめちゃくちゃスタイリッシュでカッコいいので、やっぱりジョニー・トーってカッコいいんかな。
他ももっと観てみたいな。


"見つかるかどうか、運試しだ"
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