EDDIE

フロントランナーのEDDIEのネタバレレビュー・内容・結末

フロントランナー(2018年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

報道とは?プライバシーとは?
マスコミは今も昔も変わらないんですね。

時は1988年のアメリカ大統領選。
ヒュー・ジャックマン演じる実在の政治家ゲイリー・ハートはフロントランナー(最有力候補)としてマスコミからの注目度も高く、そして聡明でハンサムでした。

史実から申し上げると、このアメリカ大統領選で当選したのはジョージ・H・W・ブッシュ。果たしてこの選挙の結果が変わっていたら、今のアメリカ合衆国はどうなっていたんでしょうか?非常に興味深いですね。

ゲイリーはモンキー・ビジネスというバカらしい名前のクルーズパーティに参加し、そこでドナ・ライスという美女と出逢います。これが運命の変わり道でした。
過去を辿るとかなり浮名を流していたようですが、この大統領選の最中の出来事ともあって、マスコミは必死に彼を追いかけます。
もちろん不倫はいかんことですよ。それを大前提としてですが、この大事な時に何してんだよと突っ込みたくなります。
マイアミ・ヘラルド紙の記者にスクープされて、世間の明るみに出たわけですが、その後もなんか煮え切らない答えばっか。
彼を取り巻く事務所スタッフですら振り回されて、なんだかスタッフたちが気の毒というか…。

映画の中でもゲイリーの性格というのは良く描かれています。これが本人像に則って撮影されているとすれば、不倫を除きかなりの人格者だなと感じました。
特にワシントンポスト紙の黒人記者の彼に対する接し方とか飛行機の揺れで落ち着かせる様とか、僕が記者だったら完全にゲイリーの味方したくなっちゃうほどです。
いや、だからこそワシントンポスト紙の記者の彼は、裏切られた気持ちになり、真相を解明したかったんでしょうね。結果ゲイリーを怒らせちゃうわけですが。

で、マスコミはゲイリーの周囲はもちろん、家族のプライバシーだって知ったこっちゃないと自宅にまで押しかけるわけですよ。
文春砲とか話題にもなりましたけどね、個人的にはこんなスキャンダルばかり取り上げる輩は非難されるべきですよ。それを楽しむ世間というのも事実いるわけで、需要があるのもわかるんですが、人間にとって大事なことって何なんだろうと。

まぁゲイリーもゲイリーで、発言は素晴らしいんですよ。けど、肝心の自分のスキャンダルの話になると一切口を割らないし、自分のとこのスタッフにも話さない。かなり頑固だったんでしょうな。特に完璧主義者のようにも見えたので、自分のアラが見えそうになると隠したくなる性分だったんでしょうなぁ。

この大統領選は自分が生まれた頃だというのもあり、全容はまったく知りません。
でも、このゲイリー・ハートが大統領の姿も見てみたかったですね。
EDDIE

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