るるびっち

マダムのおかしな晩餐会のるるびっちのレビュー・感想・評価

マダムのおかしな晩餐会(2016年製作の映画)
3.6
最初は女装した阿藤快か、嶋田久作かと思った。
フランス人にはあれが美人なのか? いや、違うだろう。
そうした個性的な女優で映画を撮れるところが、大人だと思う。
美人やアイドルしか主演できない邦画に比べたら、よっぽど成熟している。
美人にしか人生がないのではない。どんな顏の人にも人生はある。
美形以外主演させないのなら、より一般人の人生を描けない。
多様化が叫ばれる現在において、より多くの人生を邦画はとりこぼしている。
最初は阿藤快に見えても、最後はとっても魅力的な女性に見えるのだから!!(絶賛してますけど、なにか? ディスってる?? いやいやそれは誤読です)

ところでハリウッド映画は所詮おとぎ話で、フランス映画の方が大人でシニカルだと言う人がいる。
いやいやシビアな現実なんか、長年生きてれば体験しますから。
お金出して観るなら、現実忘れるおとぎ話の方が良いですよ。

本作は、ハリウッド映画でもよくある成り済ましの一種だ。
メイドが上流階級の婦人に変装して、誤解から身分違いの恋に発展する。
ハリウッドなら、ぬけぬけとハッピーエンドになるが、おフランス映画では人生の厳しさをシニカルに示す。
我々が考える以上に、向こうの上級国民は頑固なのだ。
まあ、日本でも人を殺しても中々逮捕されなかったりしますからね。

上級国民が言う「物語の終わりはハッピーエンドが良いよ。主人公は雨の中、駆けて行くんだ」
しかし一方で「私がかつて愛した女性がそう言っていた」
過去形になっとるやないか、お前駆けて行かんのかい!!
物語と人生は違うとでも言いたいのか。
そんな奴には、「ジジイだから駆けだせないんだろう」と毒づくのが私のシニカルです。

ラストの彼女の顔が何を指しているかで意見が別れる。観客の判断に任せる深い映画。
な~んて評がありますが、
むしろ、ルービックキューブを途中で放り出した印象。
技巧に満ちた難しいパズルを完成させるのではなく、「人生はセ・ラヴィ」って観客に委ねた。ズルいだけやん。
その方が名作な感じ出るもんね。
そんな奴には、「ハッピーエンドで観客を納得させる勇気がないだけだよ」と毒づくのが私のシニカルです。

阿藤快が恋したっていいじゃないか! 
嶋田久作が逆転恋愛したっていいじゃないか!
柴田理恵主演で大恋愛劇を創る勇気を持て、邦画界よ!!
なんだかなぁ!!!
(だからディスってないって、誤読はやめてください💦)
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