ーcoyolyー

マダムのおかしな晩餐会のーcoyolyーのレビュー・感想・評価

マダムのおかしな晩餐会(2016年製作の映画)
3.8
軽くて小粋な佳品、最近こういうタイプの作品があまり映画界になくなってきていると感じていたので出会えたのが嬉しい。ペドロ・アルモドバル、フランソワ・オゾン、ローマの休日、去年マリエンバートでなどへのオマージュが随所に挿入されていて作者が映画文化愛に溢れているのもわかっていい。
「ブリジット・ジョーンズの日記」や「ラブ・アクチュアリー」を好きだというキラキラOLになりたかった人生だったと言ってたら主人公がまさに「ブリジット・ジョーンズの日記」や「ラブ・アクチュアリー」が大好きなメイドで笑ってしまった。きっとそこら辺は作り手も私と同じ感性なんだと思う。
そういう主人公を馬鹿にするスノッブたちめ!これだからスノッブは!と思ってたんですが、昔あったエピソードを途中で思い出してきまり悪く恥ずかしくなった…

かつて何人かで話してた時に好きな画家の話になって、とある友人が「恥ずかしいけどドガが好きなんだ」と言い出して、それを聞いた瞬間に他の友人は「今一番高く売れるのその辺だし」と、そして私は「ほら私だってモネ好きだし、印象派いいよいいよ、なんだかんだでやっぱいいよ」とかフォローに入ったんです。でも一人だけ、ドガが好きと言った友人の彼氏だけが、私が知らない言語を話す人の中に座っている時と同じキョトンとした顔で曖昧な笑みを浮かべていたんです。この時私初めて気づいた、「ドガが好きなのは恥ずかしいこと」というのはこの人と共有できてない、そしてそれは世間のマジョリティとも共有できてない、ということに。この内輪のフォローしてる人間というのは内輪では多数派でも世間では少数派だ、こんなの典型的なスノッブ仕草じゃないかということに。

Je suis snob…すぐこんな引用するほどに私もスノッブでした…そう、canal+が製作に入ってると安心するなーといつも思うくらいのスノッブだったのでした…
ーcoyolyー

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