ちぬちぃぬ

サラリーマン一心太助のちぬちぃぬのレビュー・感想・評価

サラリーマン一心太助(1962年製作の映画)
3.8
コレはラッキー✌️
なかなか良い作品だったと思います(でも前半割とつまらないw辛抱強く観るべし〜)
そう…前半は自己紹介的な話とか人物の関係性とか、説明パートと言えるかも

後半はなるほど!そういう事ね!ってなるし力強い、この時代らしい映画だなぁと思いました

この作品は私が生まれるより前のものですが、両親の青春時代なので雰囲気はなんとなく分かるのです

1970年の万博より8年程昔。。。
いよいよ高度成長期に突入するかという頃で
個人事業主がまだまだ多い時代に、公務員や銀行員などの他に所謂【サラリーマン】が増殖中って感じでしょうかね

(私が小学生になっても、まだまだ親達がサラリーマンより職人や商売人や第一次産業従事の方とかの方が多かったですよ)

そして『一心太助』とは?ですが
講談や歌舞伎に登場する架空の人物で
徳川家光の時代の元百姓で、のちに魚屋になるチャキチャキの江戸っ子✨なんです

この江戸時代の『一心太助』を先祖に持つのが現代(60年代)の若者『石井太助』というサラリーマン兼魚屋さん

それで、ご先祖さまの太助が現代の太助に助言したりするのです…太助だけに
「幽霊?」って言われてましたがそこは特に掘り下げず
社長の古くからの知人が営業部の課長で
その課長がまた太助と馴染みの仲なんだけど
課長の名前が大久保氏であり、『一心太助』は目上の大久保に意見が言える人物らしく
今作でも太助と課長にそのような関係が描かれている

万博の少し前の時代らしい展開…職場に初めてコンピュータ導入です!(超デカイヤツ)
太助の会社も仕事の効率化を最優先にするんです
逆に社員の皆んなが電子化に圧倒され過ぎて原始人のように描かれていて
なんでもコンピュータ様にお伺いして、まるで人気占い師みたいなコンピュータ様だよ
どこに営業に行けば交渉成立するかとかね

機械頼りで仕事が成功する太助に
江戸っ子太助が「機械に頼るな」って助言すんのに調子に乗っているから耳を貸さない
ちょっと事情があって一人だけ巧く行ってる太助を貶める為コンピュータを狂わせるヤツが。。。

バグったコンピュータの言う通りにして
常識を超えた取り引きを繰り返し
全ての流通経路が麻痺したり…街が大混乱
太助の会社には激しいデモ隊が押し寄せたり
政府からもお咎めを受けたりする

コンピュータの誤作動が自分達の会社如きで良かったなと…もしこれが核爆弾発射とかだったら大変だったなというストーリーでした

江戸っ子太助も機械に頼るなと言っていたし、エンジニアの彼女も(愛)情までも機械的にしないでと言うし
とにかくこの時代の新しい風潮に釘を刺しているように見えました
大久保課長も【古風】過ぎて笑い者にされているけど結局課長は好人物として描かれていました


要するに【自分の頭で考えろ】って事なんですよね