「あざとくてなにが悪いの?」もそうだけど、女の自意識が、どうも好きになれない。それは多分、この映画でも言えるように、最後に、女が男2人を殺す気概はなく、ただ自転車で逃げるだけだからなんだと思う。
主演の女の子のキスがめっちゃエロかった。
併映「あんたの家」
撮り方とか人物への距離感が好きだった。バラバラだった家の中が終盤に繋がっていく様に興奮。
カミさんは冒頭に公園にて、子供が投げてきたボールを軽くいなし、爺さんに触らせることを許さない。そして家でも、扉に手をかけるのはずっとカミさんであり、爺さんは扉を見ることすらない。
カミさんは外に出るもコーラスサークルの輪の中に入れず、家の中でなんの得もないのに爺さんの髪の毛を切ってあげたり、鶏の水煮をリズミカルなテンポで切り作っていく。その時点で2人の夫婦の美しさが見えて幸福なのだが、それだけでは終わらない。
カミさんが外に出て自転車を漕ぐ姿があまりにも美しい。それに目を奪われる。しかしその後に、子供とブランコに隣同士に座り、フッとタバコに火をつける。だが、あれだけ家の中で逞しく吸えていたタバコが、外のブランコでは全く存在感を見せずいつのまにか無くなっている。そしてその2人はすぐに解体される。
終盤、それまでバラバラだった家の中は繋がっていき、夫婦を解体できようものなら解体してみろと、カミさんが勢いよくドアを開ける。しかし、こんなに神聖な領域を他者が解体できるはずもなく、扉はまた閉じられる。
それで、あれ、最後どんな感じで終わったっけ。忘れちゃった。ダラダラ寝っ転がって観てたからか。でも傑作なのでまた見る。どのサブスクにもそしてフィルマークスにもないってどゆことよ?