気になっていた人が、紹介してくれた本を
おもしろい、と感想とか言うと
すごく喜んでくれるから
頑張って読み進めていった。
その人への思いが冷めていくのと同時に
本当はおもしろくないのに、頑張って無理していた自分に気づいた。
劇中に、そんな昔の出来事を思い出していた。
主人公の彼女は、過去に人間関係で苦労していたんだろうか。
あまりにも心が優しくて、
人への想いやりが強い分、同じように自分のことも
見ていてほしくて
相手が好きな自分になるために
期待に応えるために
がんばってがんばってがんばりすぎて
自分のことがわからなくなって
自分の中身が透明な人間になっちゃったのかなあ。
数々のアルバイトを掛け持ちしながら生きる彼女は、
その環境によって『求められる自分』を演じていて
でも、それは彼女が生きてきた過程から備わってしまった『彼女の自然体』なんだろうけど
見ていてどこか生きづらさを感じた。
文句も言わず従って、にこにこしていれば
優しくしてくれるんでしょ。
どれも自分が今日生きる居場所を確保するため。
全体的に薄暗い世界で生きていて、
内面は他人の色に染まろうとする透明な彼女だけれど
彼女が好きで、身につけている『赤』だけは
どこにも染まらず浮いていて強烈に脳裏に焼きついた。