まみた

からっぽのまみたのレビュー・感想・評価

からっぽ(2018年製作の映画)
4.3
気になっていた人が、紹介してくれた本を
おもしろい、と感想とか言うと
すごく喜んでくれるから
頑張って読み進めていった。

その人への思いが冷めていくのと同時に
本当はおもしろくないのに、頑張って無理していた自分に気づいた。

劇中に、そんな昔の出来事を思い出していた。


主人公の彼女は、過去に人間関係で苦労していたんだろうか。

あまりにも心が優しくて、
人への想いやりが強い分、同じように自分のことも
見ていてほしくて
相手が好きな自分になるために
期待に応えるために
がんばってがんばってがんばりすぎて

自分のことがわからなくなって

自分の中身が透明な人間になっちゃったのかなあ。

数々のアルバイトを掛け持ちしながら生きる彼女は、
その環境によって『求められる自分』を演じていて
でも、それは彼女が生きてきた過程から備わってしまった『彼女の自然体』なんだろうけど
見ていてどこか生きづらさを感じた。

文句も言わず従って、にこにこしていれば
優しくしてくれるんでしょ。

どれも自分が今日生きる居場所を確保するため。

全体的に薄暗い世界で生きていて、
内面は他人の色に染まろうとする透明な彼女だけれど
彼女が好きで、身につけている『赤』だけは
どこにも染まらず浮いていて強烈に脳裏に焼きついた。
まみた

まみた