レインウォッチャー

少林少女のレインウォッチャーのレビュー・感想・評価

少林少女(2008年製作の映画)
2.0
■RWと48の地獄㉒
奪われた体の一部を取り戻すため、RWは大晦日までに48の魔物を倒さねばならない!奴等は地獄映画の中に潜んでいる…

□戦績
映画とはやはりフィクションである以上、ある程度は観る側も歩み寄りが必要となるものだ。
何でもかんでもリアリティがあれば良いってもんじゃあないし、重箱の隅をつついてばかりだと疲れてしまい、そのくせ誰も幸せにはならず、もっと大切な何かを見落としてしまう。

映画というコンテンツ、文化のファンである以上、わたしたちは皆ワンチーム。人間に与えられた類まれなギフト、想像力と好奇心によって「呑みこんで」いく気持ちを忘れずにいたいところだよね。

今作も評価は芳しくないけれど、いやいやまあまあ呑みこんでいこうよ。

リン(主人公)はいきなりすげー迷惑だし倫理観がバグってない?
⇒少林拳を広めたい、真っすぐすぎる気持ちの表れなんだね!
 ごくり。

ラクロスと少林拳は関係なくない?
⇒根本で通じるものがあるってことで、後々効いてくるんだね!
 ごくり。

ガキとサッカーしてるだけでいつの間にか仲間と仲直りしてない?
⇒リンの子供みたいなピュアな気持ちを皆も理解したってことだね!
 ご、ごくり。

ラクロスでチームワークを学んだのに、独りで戦いに行ってない?
⇒仲間が大切だからこそ、仲間を傷つけたくないって発想だね!
 ご…ごく…り…


腹が!

パンパン!!!

だよーーーーーーーーー!!!!!!


むり。もうむり。
こんなに次々詰め込まれたら、戦後の米兵ジープを追いかけてた鼻水の子供でもドロップキックを繰り出してくるだろう。しかも焼けたイガグリみたいな代物ばかり押し込んできやがって…食道はもう使い物にならないよ!一生流動食の身体になっちまった。

とにかく大枠から細かいところまですべてそんな調子で、誰の行動も物語の行く末も本当に意味が分からなくて、こちらに頼ることが多すぎる。後になってそれらのパズルがハマる、なんてことも一切ないままだし、そもそも当初のゴールが達成されたのかもわからない。

少林拳なの?ラクロスなの?青春なの?バトルなの?
どの要素もバラバラのまま、うず高く積みあがっていくノルマと絶望。そのくせ、なんかストリングスメインの「イイ話用」BGMが垂れ流され、いますぐトイレに駆け込みたい。が、便器に申し訳なくて吐くのも憚られる。

あるいはもしかして、これが少林拳の極意ってこと?
この忍耐が、苦行が、本当の強さには必要なんだと教えてくれてるの?

そうか…わかった…
悟りましたよ、すべて…

じゃあ、あらためて告げましょう…「やめちまえそんなもん」と。


□倒しかた
(結局ただうじゃうじゃいただけの)ラクロス部員の中に、明らか段違いにかわいい子が一人いる!と思ったら満島ひかりさんだった。唯一の息継ぎポイントであり、スコアの9割。

あとの1割はアクションパートの映像エフェクトで、『少林サッカー』風のナニがしたいのね、ということは伝わる。伝わることと、何か意味があることは別問題だけれど。


□分類
KM地獄


□取り戻したパーツ
Believe


□次回予告
安村!「●●●ままで」!