円柱野郎

少林少女の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

少林少女(2008年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

…ハッキリ言って面白くない。
物理法則を無視した荒唐無稽な設定にはこういう映画なので目をつむるとしても、支離滅裂なストーリー展開には閉口するばかり。
「少林サッカー」の設定を借り、しかも本家から出演者まで借りてこの体たらくとは、恥ずかしいにも程がある。

少林拳を描きたいのか、少林ラクロスを描きたいのか、“闘いと非戦の精神”を描きたいのか。
まあ、おそらくどれもやりたいって事なんだろうけど、やりたいことが多い割にキャラクターが浅薄すぎて全く感情移入できない。
特に仲村トオルの演じる悪役の組織が何なのかよく分からない所が致命的。
なんだかよく分からないけど「最強でありたい」ってだけあんな組織を作られてもなあ…。
いくら娯楽アクションでも、バックボーンの説得力がなければ世界に入り込めないですよ。
しかもオチがアレではなあw

つまりこの映画、カタチばっかりで中身が全然無いのだ。
劇中で江口洋介が主人公に「お前のやっているのは形だけだ。俺が教えているのは心だ。」って言っているじゃないか。
もはや撮り手がそれを忘れているように見えるのでは、そんな台詞を聞かされても鼻白んでしまうのであります。

まあ、少林拳の心を描きたいなら後半のバトルは要らない。
バトルを描きたいなら前半のラクロスは要らない。
悪役を出したいなら敵側に説得力のある目的を掲げるべき。
まあ、何にせよポーズだけを決めているようでは格好悪いという見本のような作品です。
円柱野郎

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