社会のダストダス

アンソニー・ホプキンスのリア王の社会のダストダスのレビュー・感想・評価

3.0
ああ!フィルマークスよ、サムネ画像くらい設定したまえ!あらすじも特に記載されていないので、これではどんな映画か全くわからぬではないか!フィルマには記載されていないが、我はAppleTVで観ておるぞ!

シェイクスピアの4大悲劇の一つ「リア王」を時代設定を近未来に変えて映像化した作品であるな!

近未来の軍事国家イギリス、老王リア(アンソニー・ホプキンス)は退位を決意し領土を三分割し、長女ゴネリル(エマ・トンプソン)、次女リーガン(エミリー・ワトソン)、末娘コーディリア(フローレンス・ピュー)の3人の娘に譲ることを決めるのだ。

ゴネリルとリーガンは甘言でリア王の機嫌を取り領地の分配を得るが、コーディリアは素直な物言いで王の不興を買い勘当されてしまう。しかし、リア王は信じていた長女と次女に裏切られ流浪の身となってしまうのだ!
なおこのあらすじは付け焼き刃の知識に基づくものであるぞ!

おお!リビングレジェンド、サー・アンソニー・ホプキンスの演じるリア王の迫力の凄まじき事よ!「ファーザー」の時と同様に本当に耄碌してるんじゃないかと思わせられる、鬼気迫る語りに慄くものだ。そんなに血相変えたら血圧が上がってポックリ逝ってしまうのではないかと、観ているこっちが心配になるほどであるぞ!

基になったシェイクスピアのリア王に関してよく知らない状態で観始めたために、開始から20分くらいで生じた弊害、ぬぅ…人物相関図が全く頭に入ってこぬぞ、そもそも21世紀の設定のはずなのになぜ道化やら哲学者などのワードが不通に出てくるのだ。伝令を走らせる場面などLINEやショートメッセージで10秒で解決するではないか!

このまま鑑賞を続けていてはよく分からないままヌルっと観終わることを察した我は、いったん中断し現在の叡智の雫(グーグル先生)をもって基本設定を補完してきたのだ、我に博識の門を開きたまえ!なるほど、道化とは国王に批判的な意見を述べることが許される存在であったのか!何故あんな口の利き方をされて即刻斬り捨てないのかと不思議であったぞ!

大まかなプロットを頭に入れた状態で鑑賞すると余計になんでやねん!と感じる箇所が増えた気がするが、これで迷子にはならなくなったぞ!

公開は2018年ということで、ブレイク前夜のピューちゃんも重要な役回りで登場しているのだ。アンソニーおじいちゃんは大げさな語り口調で急に独白を始めたりするが、ピューちゃんはいつものピューちゃんであるな。おお!ガタイが良いのでフランスに嫁いだ後の軍服にベレー帽が様になっておられるぞ。役柄としては最初と最後の方に出番があるだけなので、ピュー度は低めだがしっかりと爪痕を残しておるな!

正直、時代設定を現代にしている意味はあまりないように感じてしまったが、演劇をカメラを通して間近で観ているような独特の味わいのある作品であるな!それゆえか空爆のシーンが逃げる人と爆煙だけで表現されていたり、泥道が明らかにマットを敷いてあったりとやや演出で残念な部分があるが、アンソニー爺ちゃんを始め演者たちは素晴らしき熱演であるぞ!

登場人物の大袈裟な語り口調を真似て書いていたが、同時にチマチマ書いていた何本かのレビューにも伝染してしまったぞ!
おお神よ!!修正が必要だ!