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峠 最後のサムライのEDDIEのレビュー・感想・評価

峠 最後のサムライ(2020年製作の映画)
3.4
太陽に向かって飛ぶカラス。
それは困難にも思えるが、明るい希望や未来とも取れる。
大政奉還後、河井継之助はスイスを倣い中立の立場を取りながら日本の将来を信じ抜く。派手さはなくとも貴重な時代劇として役所広司の演技と共に一見の価値あり。

〈感想〉
三度の公開延期。
当初は2020年9月25日公開予定でした。

1年のうち時代劇の映画やドラマを観るのも数えるほど。
そんな中でも楽しみにしていた作品の一つでした。

坂本龍馬と並び称されるサムライがいたーーーという宣伝文句。
しかも演じるのは役所広司。
私の大好きな芳根京子も出番はどれほどかわかりませんが出演しています。
観ない理由はありませんでした。

実際に観てみると全体的には地味な構成でした。
河合継之助は倒幕派と佐幕派で分かれる大政奉還後の幕末において、常に中立の立場にいました。
西軍が東軍を攻め入る最中、継之助は少数精鋭で向かい入れることを決意するわけですね。

勝つも負けるも、それが重要ではない。
正しい行動を取ることが結果的に未来を作る。

今の日本があるのは河井継之助がいたからこそだと思わされるのです。

いざ銃撃戦が始まると緊迫感も迫力も高まりますが、メインは会話劇です。
時代劇とあってセリフも時代劇セリフのため、100%理解しづらいところもありますが、やはりそこは役所広司。さすがの貫禄と表現力です。
とくに闇討ちをかけられるシーンは素晴らしかった。
1対多数の対決で、どう見ても河井の方が分が悪いと思わされるのですが、彼の演技と圧巻の迫力でその場の雰囲気を一瞬で変えました。

あとは河井継之助のそばでずっと仕える従僕である松蔵役の永山絢斗も良かったですね。
序盤こそほとんどセリフがありませんが、静かに物語と継之助を支えていました。

〈キャスト〉
河井継之助(役所広司)
おすが(松たか子)
お貞(香川京子)
河井代右衛門(田中泯)
松蔵(永山絢斗)
むつ(芳根京子)
小山正太郎(坂東龍汰)
川島億次郎(榎木孝明)
花輪求馬(渡辺大)
松平定敬(矢島健一)
山本帯刀(AKIRA)
徳川慶喜(東出昌大)
小山良運(佐々木蔵之介)
月泉和尚(井川比佐志)
老人(山本學)
岩村精一郎(吉岡秀隆)
牧野忠恭(仲代達矢)

※2022年新作映画85本目
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