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峠 最後のサムライのtokyowebtvのレビュー・感想・評価

峠 最後のサムライ(2020年製作の映画)
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正直な感想を申し上げます。
黒澤演出の継承は微塵も感じられず、愕然としました。
座ったままでの長台詞の交換が何シーンも続き、台詞のほとんどは板付きで紙芝居の様でした・・・。
西軍東軍の攻防も大量のエキストラを生かしきれず。発砲と砲弾であっさり逃げる、の繰り返し。
撮影期間2か月はあまりにも短かったでしょうし、3億5千万円の低予算も原因の一つかと思いますが、役所さんの名演が光ったものの、共演者のリアクションが希薄で不自然な目線も多く、白ける要因でした。
「これは夫婦の映画だから」と小泉監督。
「屋内の芝居も合戦も、両方大事だ」と黒澤監督は『Life work of Akira Kurosawa』で語っておられます。
「観客が観たいと思うものは台詞でごまかさないで撮影するように努力している」とも。
日本国民の記憶から黒澤魂が消えていく。そんな1本でした。
残念。
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