えすてぃーけー

峠 最後のサムライのえすてぃーけーのネタバレレビュー・内容・結末

峠 最後のサムライ(2020年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

我々の世代(20代前半)にはササらない、年齢層高め向けの映画かも?幕末期の教養としては◎。

「おのこもののふたるもの常在戦場」、かっこええ。山本五十六の金言かと思っていたがどうやら長岡藩の家訓がルーツだとは。山本五十六も長岡出身だしとても納得。

薩摩長州明治新政府軍vs越後長岡藩(旧幕府軍)の戦、史実でも苦戦したことで有名な長岡城の戦いがテーマ。

長岡藩家老の先見の明や、官軍・幕府軍どちらでもない、スイスを見習った永世中立独立国への希望を追い続けるところは役所氏の演技力があってこそではと思った。一方で妻役の松たか子氏も見もので、大名家老の奥方たるものの強さ、武士の妻たるものの矜恃や覚悟を持った、強い女性が描かれている。
とはいえ、オルゴールのシーンに象徴されるように、1人の女性としての感情が垣間見えるところが、夫婦の絆の強さ、愛の深さを物語っていていいなぁと感じた。戦がなければまじいい夫婦で憧れまくりです。
そして街の描写や風景や衣装がとっても綺麗で、平和な江戸時代には憧憬を懐きます。
しかしながら、アクションシーンがほとんどなく盛り上がりに欠ける点が残念だなぁと。ガトリング砲?を役所さんが打ちまくるとこはやはり見せ場だったのだろうけど、いまいちグッとこなかった。
史実に固執して作られているからか、前提や背景情報の説明がやや煩わしく、起承転結の移り変わりに気付きづらかった。とくに長岡城が落ちたことに気づいたのは後になってから。
いずれにしても、長岡城址を中心に長岡〜新潟観光したくなった。