スポック

峠 最後のサムライのスポックのレビュー・感想・評価

峠 最後のサムライ(2020年製作の映画)
3.5
当時を生きる当事者たちは時代の流れを誰しも正確には読みきれない。
立ち位置の違いで、自身の信念で正しく時流を読み判断して行動したとしても、抗しきれない時代の潮流に押し流されて破滅してしまうときがある。

侍として主人のお家と領地の継承を考え、富の源泉である民のことを考え、領地を維持するために市井の平和を考えて冷静になって維持していこうと大金を使って武力も含めて柔軟に対策しても、多勢に無勢で大きな時代の流れに押し潰される読み間違いの結果を招いてしまう。
誰にも分からない未来を勝ち取るために命懸けで戦うこと自体が侍の忠義であり魂であるのは理解できるが、真摯で理性的で論理的な情熱ある指導者が朽ち果てる姿は痛ましかった。