初代高橋竹山も二代目も三味線の演奏は音楽的素養がない僕でもかなりグッとくるぐらい素晴らしかったです。晩年の姿の痛ましさと威厳が共生している姿に思わず涙ぐんでしまいました。
だからこそ、二代に渡る高橋竹山の姿と歴史にのみ視点をおいた構成にして欲しかったなあと思ってしまいました。環境映像みたいなシーンやオシラサマなどの風俗の情報の所為でテーマの軸がブレてしまい、単にテンポを悪くしているのではないでしょうか。演奏シーンも少し多すぎるように感じてしまい、正直終盤までは結構退屈で苦痛な時間でした。
新藤兼人監督の『竹山ひとり旅』もいつか見てみようと思います。