KOUSAKA

津軽のカマリのKOUSAKAのレビュー・感想・評価

津軽のカマリ(2018年製作の映画)
4.2
2019年1月シネリーブル梅田で1回目、そして今回CINEMA Chupki TABATAにて2回目の鑑賞となりました。しかもラッキーなことに、大西功一監督のリモート舞台挨拶付き上映でした。

初代高橋竹山が生み出す「音」が、他の演奏者と全然違うことが2回目の鑑賞で初めて分かりました。とにかく太くて分厚くて、野趣に溢れています。

最も心を掴まれたのは、前半のインタビューからの演奏シーン。

目が見えないことで差別され、飯を食うためには三味線を弾き続けるしかなかったというエピソードを語った後、やおら弾き始めた「音」がかなり荒々しく、明らかに怒気を放っていて、これは伝統芸能という枠を超えて完全にパンクでした‼️

弱者を足蹴にする日本社会に対するルサンチマンが爆発していて、まさに鳥肌モノのプレイでした。このシーンを見るだけでも、この作品を見る価値はあります。

途中で転調する部分のスリリングさはまるでプログレで、この入魂の演奏を、キング・クリムゾンのロバート・フリップ御大に是非聴いて欲しいと本気で思いました。

病気に犯された晩年、それでもステージに立とうとした初代竹山の生涯最後の演奏シーンも見ることが出来ますし、二代目竹山を筆頭に、弟子の皆さんに竹山イズムが継承されていることをしっかり確認することが出来ます。

日本人自身が軽視しがちな「和のカッコよさ」を、これでもかというくらい知らしめてくれる傑作ドキュメンタリーです‼️
KOUSAKA

KOUSAKA