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津軽のカマリのgeddyのレビュー・感想・評価

津軽のカマリ(2018年製作の映画)
3.0
三味線奏者高橋竹山と竹山を生み出した津軽という土地について、お孫さんやお弟子さん、そして名前を継いだ二代目を通して辿るドキュメンタリー。
度々飢饉が起こってきた土地で盲目の人間が生きていくことがどれだけ大変か。今でこそ津軽三味線と親しまれているものの、当時の扱いはほぼ物乞い同然。演奏してその日の糧を得なければ即、死。好きも嫌いもない、とにかく弾かねばならない。生前の竹山の語りの映像は迫るものがあります。
またインサートされる津軽の信仰の風景も印象的でした。
そして亡くなって後の現在、二代目のコンサート演奏が映されます。これが素晴らしい。本当に受け継いでいくことはどういうことなのか、一つの答えのようでした。



上映後の監督舞台挨拶で、高橋竹山の知名度は40代以降で急激に下がるのだとか。まだ聴いたことがない方、本物の名人の演奏がどんなのか分かりやすい入門としてこちらの映画から是非。
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