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嵐の中を突っ走れの3104のレビュー・感想・評価

嵐の中を突っ走れ(1958年製作の映画)
3.6
やはり裕次郎は華がある。
棒読みでも歯並びが悪くても、あの体躯(足長ぇ)で画面の真ん中に立って朗らかな笑顔を浮かべていればそれだけで画面が、映画自体がサマになる。

前半はそんな裕次郎が千葉の“南国”こと館山の学校に就任しての「学園モノ」。中原早苗や葵真木子、清水まゆみの制服姿も眩しく。
後半は一転、地元漁業を圧迫する企業の研究の裏を追う「悪徳追及モノ」に。物語冒頭で知り合った北原三枝や市村俊幸とのチームワークで事件を追っていく。

この前半と後半の繋がりがいくらかチグハグアンバランス。強引に“転調”をしたような感じ。いち高校の新任教師が地元漁民を率いてそこまでするか?・・と考えるのはしかし野暮というもの。(特に前半~中盤にかけての)笑いも折り込みながらのテンポの良い進行ですっかり許せてしまう。
それでもなに?風速四十米?とばかりに唐突にやってくる台風の下でのクライマックスの乱闘シーンはいささかグダグダと言わざるを得ない。

とはいえそんな指摘もやはり野暮というもの。冒頭に書いたような裕次郎の魅力とやらで、作品全体としてはなんだか許せてしまい、面白く観終えてしまうのである。
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