いったい主人公はだれなのか？ ストーリーの役割とは？ 柔らかい空気の中の実は鋭い言葉と画像・・それは作り手大川監督の意図なのか偶然なのか・・全編を流れる柔らかいウクレレのフォークロアに隠れて、ときおり、野火のような痛みが走ります。 最後には、仮の表舞台の仮の主人公の思いや家族愛すら、広大な舞台の上の小さなセットを鳥瞰しているような気になってしまいます。これほどいろいろなことを考えさせられるフィルムに出会ったことがありません。 柔らかく鋭い、これは監督の感性そのものですね。 心から出会えてよかったと思える作品です。
