福福吉吉

ジョーカーの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.5
アーサーはピエロの仕事をして年老いた母親ペニーを養っていた。アーサーは発作的に笑い出してしまう病気に苦しんで、薬物を手放せない状態だった。ある日、アーサーは地下鉄で酔っ払いのスーツの男3人に絡まれ、暴行を受けたため、反射的に護身用の拳銃で3人を撃ち殺してしまう。そのときから、アーサーは、母親ペニーと自分の間の真実、尊敬するコメディアンのマレーの番組での嘲笑、と精神的に追い詰められ、狂気に満ちた怪物へと変貌していく。

アーサーは常時、過酷な状態に置かれており、観ていて息が詰まりそうなくらい苦しかった。特に発作的に笑い出してしまう病気なんて生き地獄だ。スーツの3人を射殺してから、ゴッサムシティの貧困がアーサーを悪のカリスマ「ジョーカー」へと変貌させてしまった。皮肉にもジョーカーになって自然に笑えるようになったのは悲しい。
ストーリーは終盤に至るまで非常に重く、途中で「早くジョーカーになってくれ」と思った。ジョーカーになってからは狂った展開になった。これを面白いと言っていいのか分からないが、気分が開放的になったのは事実だ。
主演のホアキン・フェニックスはよくこれだけの狂気と絶望感に満ちたアーサーを演じきったと思う。
なかなか良かったと思います。
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