Solo1968

ジョーカーのSolo1968のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.7
今更ながら

この作品の情報がちょいちょい出だした頃には 当然ながら
二度と 観ることの出来ないヒースレジャーによるジョーカー喪失感から、ダークナイトシリーズが完結した段階で過度な期待を持ち トレーラーを何度も観て騒いでいた。

また事前情報(や結果的に興行成績としても大成功とはなった)で公開を指折り数えていた。

鑑賞時は他のシアター同様にパンフレットは売り切れというのは変わらず、やはり映画としての集客も凄いものであった、、。

もちろん、色々な意味で見終えた後の気持ちは なかなかシンプルには表現できないが、大満足。

あれから数年経ち 冷静に思うと当日の気持ちとは随分と変わってきたので、鑑賞かもう2年くらい経過した今の感想を残してみようかと。

今思うと 多くの人が仰るように、ダークナイトにおけるヒースレジャーのジョーカーが生まれる前のお話、、ではあるけど、むしろ そこはもう切り離して全く別物として
雑な表現をあえてすれば、
本当に
キングオブコメディー

タクシードライバー
への愛情をジョーカーという材料で表した作品という方が強い。いや、むしろほぼ、それなんじゃないかと。

ダークナイトにおけるヒースレジャーの演じたジョーカーのキャラクターは後にも先にも 超えるものは出る事は無いけど、果たしてこの作品で主人公がジョーカーとして生きて行くくだりとしては、ダークナイトのあの狂気とは程遠く、個人的にはやられたので、やり返す、的な至極真っ当な暴力や仕返しのようで、ヒースレジャーのジョーカーで表現された理解不能な言動、、狂気、への変貌はこの作品では感じられず
後から思い返せば返すほどに
シンプルに 綺麗な映画。
美しい映像美
と思える。

ホアキンフェニックスの役作りも、そもそも彼の他の作品をあまり知らない故に安易に凄いというのも失礼だけど、素人目に観てもその世界に引き込まれるのは間違いない。

色合いや、やはりとても重要なのは、それらを決定的に印象付ける音楽で、これが間違うときっと、作品自体のトータルの出来も変わるんじゃ無いかと。

シナトラのザッツライフ♫
が観る前にはずっと頭で流れていて もちろん、鑑賞中のそのシーンもとにかく美しい。

が、エンディングのホワイトルームは一瞬にして僕の中のこの作品のテーマ曲?を変えた。

一流のプロダクションで作られた一流の名画

単にジョーカーの誕生前夜という事でなく、悲しく美しい

そんな作品と今は思える。
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