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ジョーカーのcowaiのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

物語自体に意外性はなかったけど、アーサーがジョーカーになるまでの物語を演技や音楽、構成、撮影で黒く重たく真っ暗で大きなものになるように組み上げていて、作品としての完成度が高いと思った。

薬を飲んで常人になろうとして、罪を犯してしまい、怖くなって、もう戻って来れないという感覚を抱きつつも、これでいいんだ、自由だという心情に変わっていく様を感じ取ることができた。セリフではなく演技で表現していることが凄いと思った。

テレビ番組で熱弁したことが彼の一つの主張だろう。でも、それが全てじゃない気もした、熱くなって言わされているような気もした。

原作でも、不平不満や貧富、格差に怒りをぶつけるために悪事を起こすキャラクターなのか。ただの快楽主義者なのか。原作を詳しく知らないので、ジョーカーがどんな志で悪いことやってるか知らない。

どこまでが妄想でどこまでが現実なのか分からない表現な気もして、うまいなと思った。トリップというか漂う、迷う感覚になった。

気になった:生い立ちよく理解できなかった。養子?富豪と母親の関係は?最後のカウンセラーは最初に出てた人?

観ていて、物語のピークがどこなのか、まだなのか?という感じがあった。家からテレビ局までの道中がテンションが上がるピークな気もした。そもそもそういう作品ではないか。

殺しがピークではなく、トーンダウンになる表現。作品を見て、ジョーカーが生まれても仕方ないという感じにはならなかった。殺しのインパクトが強かったからそれまでの悲劇がかき消されちゃった。
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