いつか必ず観ようと思っていた一本。あの『ハング・オーバー』シリーズ撮ってる監督さんだけど、同じ「笑い」というテーマで、質感も内容も全く異なる映画を撮ったんだな。人生、笑えなくなる出来事があったんかなと思う振れ幅。
そしてこの映画は全く見事に『タクシー・ドライバー』。ロバートデニーロ出ちゃってるし。チャップリン持ってくるところもえげつない。狂気と抑圧で膨張している街中に起爆剤になるような喜劇を持ってこないでくれ、怖すぎる。
精神を病んだ男の人、社会から疎外され孤独へと一層堕ちていくごとに進む狂気的振る舞い。そして最後は殺人によってヒーローに。社会も狂気の中にある。
暗い時代には暗い作品が流行る、と以前文学の先生が言っていた。怖いのはただ暗いんじゃなくて狂気的なんだってことだけど。
そして、個人的にはジョーカーの方がもっとずっと危ない感じに心を揺さぶられる。一体何をはらんじゃってるんだろうかこの映画は。