《喜劇と悲劇の狭間に生まれた狂気》
劇場公開時に観て凄まじいパワーに圧倒されて、
その後Blu-rayを買ってはいたんですが、
かなり体力がいるのでずっと放置してました。
バットマンのヴィランであるジョーカー。
そんな彼の単独作なんですが、
監督がワーナーに
『マーベルには勝てない。彼らは化物だ。彼らが出来ないことをやろう』
と言って原作にも全くないジョーカーの新たなオリジンを作り出したこと。
今までと全く違うアプローチでここまでの作品を作り上げたことにただただ圧倒されるばかりです。
ヒーローは選ばれし者にしかなれないけど、
ヴィランは誰もが堕ちる可能性を孕んでいるんじゃないかと。
主人公アーサーの身に降りかかる事は何も非日常なことは起きません。
誰しもが通る道ではないですが、
誰しもが通る可能性のある道かもしれません。
コメディ映画ばかりを撮ってきたトッド・フィリップスがこの作品を撮ったのが驚きでした。
でもこの映画でも描かれているように、喜劇と狂気は表裏一体なのかもしれません。
『タクシードライバー』、『キング・オブ・コメディ』にインスパイアを受けた本作に、ロバート・デ・ニーロが出てるのも凄いです。
何と言っても主演のホアキン・フェニックスの演技力。
観てる人がのめり込むほどの凄まじいジョーカーを演じきってました。
一番本作が凄いのはジョーカーのオリジンを描きながらバットマンのオリジンまで描いてる所。
そして見終わった時に『今後バットマンを応援できないなぁ』と思ってしまう所。
これをよくワーナーもDCもゴーサイン出したなぁと。