rill

ジョーカーのrillのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

ノーラン三部作を見終わり、いよいよジョーカーに臨む。
弱者男性のカリスマジョーカーの正体とは一体何者なのか、どんな深い背景があるのか…と思いきや、ただの凡庸なこじらせおじさんだった。

自分のことを優しい善人だと思い込んでいるが、実際は周囲に加害してばかりだし、才能もないのに場違いなところばかりに出たがってわざわざ傷つきに行き、どんどん悪化するようなことばかりしている。
自己中で何もかも境遇や社会のせいにしてばかり。
ダークナイトの、心理戦に長け底無しの狂気に呑まれるような魅力あるヒールとは大違い。

銃をくれた仲間は護身用にとの善意からで、受け取ったのも病院に持ち込んだのも子どもの前で落としたのも自分のせい。
芸人として出てきてるのにイジられるのは不本意だなんてわかるわけがない。
ピコ太郎がジャスティンビーバーに逆上して殺すようなもの。

アパートの女性への妄想もキモすぎ
ちょっと挨拶しただけの男にロックオンされいつの間にかそいつの中では恋人扱いになってるなんて恐ろしい。侵入され鉢合わせした時に刺激しないようにやりすごせてセーフだったけど、拒絶や悲鳴あげてたら殺されてただろう。
女と僅かな接点持っただけで依存して加害するから下手に親切にしたり関わらない方がいいってなる。
俺は辛いからケアしろ、才能もないのにチヤホヤしろ、但しうまくいかなかったり気に食わなかったら殺すと脅迫してくるやつなんかに誰が寄り添うか。
無敵の人が放火や銃撃、爆発を仕掛けて社会の混乱を楽しんでいる時、かつての仲間のような、1人ではドアを開けることもできない本当の弱者が逃げ遅れて犠牲になる。

これに同情や共感、肯定までする人々が大勢いるのが終わってる。
本当にそういう脅迫的なやり方で理解が得られたり社会が良くなると思ってるのか。
いや、そんなこと望んでないんだな。
結局インセルが望むのは名誉、成功、女。
自分も搾取側、強者になりたいだけ。
狭い視野でムカついた相手を衝動的に殺してるだけなのに勝手にヒーローに祭り上げて暴動に参加してる大衆がこの映画を神聖化してる観客の姿だろう。
自己投影しているジョーカー予備軍はほんと危険なのでこんなもんで自慰してないで福祉や医療にかかってほしい。
rill

rill