オジサン

ジョーカーのオジサンのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.0
この作品はエンタメ的な面白さもあるとは思うのですが、私は素直に面白い!よりも犯罪者を擁護または賛美しているように見えてきて気持ち悪いと思っています。

実際にこの作品はアメリカの評論家からは私が気持ち悪いと思っているような理由と同じような理由で好評とは言い難い筈です。
その逆に一般層からはとても好評で、その口コミが広がり大ヒットを記録したのでしたかね?

アメリカでは裕福層と貧困層の隔たりというか、貧富の差による社会問題はかなり深刻なようです。
そして、この作品でジョーカーとなる男は人種は劇中であったか覚えてませんがヒスパニック系と思われるシングルマザーに手を掛けています。

このシーンにはいろいろ憶測があって殺害しただの、暴行しただのありますが、本来ならばこの女性はポリティカルコレクトネスで守護されるような存在の筈なのです。

この世は人類の歴史を鑑みても男性社会なのは間違いなく、だからポリコレやフェミニズムというものが存在して女性の権利を守ろうというような女性のための自由主義というかが存在するのですが、
ではこの世が男性社会だとしてその社会で生きにくい女性を保護しよう認めようという運動があって逆説的に浮き彫りになってくるのは、男性社会で生きていけない男性はどうなるのか?です。

要するに日本では弱者男性と呼ばれるような人たちです。

この映画の犯罪助長するような要素を評論家方は危惧していましたが、この日本ではどうでしたかね?
ジョーカーを名乗る男性による犯罪行為が問題になりましたよね?

おそらく、作品が故意に犯罪者の素質のある人間を刺激するというよりは、犯罪者になる素質のある人間が創作物である作品の登場人物と自分を重ね合わせて自身を正当化し、凶行に走るのだと私は思います。

この映画に感銘を受けてしまう人たちが存在するこの社会が悪いのか、それともそういう人たちが悪いのかは議論することはできません。

ただひとつ言えるのは、ジョーカーは人間の狂気や悪意といった醜い部分をこれでもかというくらい詰め込んだ人間であるといえることですね。

アメコミ映画でこの作品はかなり異色過ぎる一作だったと思います。
個人的には気持ち悪い作品としか思えませんが、この映画のテーマは人間の本質的な部分を指摘していて意義とはとても表現したくありませんが、訴えかけてくる何かがあるのは間違いないと思うので星3つですね。
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