映画館で上映中と知り, その羨ましさに, 過去の感想をレビュー.
いや何が羨ましいって, 例えば実写邦画「死神博士」なら, どうなるか考えて下さい. ジョーカーという, アメコミ 1 作品の 1 脇役キャラで, 物語も演技も魂こもって, 社会を騒然とさせる力を持った映画が出来て, だからこそ時を経てプレミア公開もある. それが羨ましい.
ヒーローの出生って, まぁ「理科 (医薬生化) 」だけど, 本作は「社会」で人間格差の闇. 序盤は悲しきピエロとして魅せて, 格差社会を背景に, ヴィランが人だった頃の内面に弱者の狂気を描ききって, 最後はジョークで落とすという, この「ジョーカー」誕生物語. そりゃ星 4.5 です.
当時も今も, アメリカなら劇場で乱射は起こってもおかしくない. それが本作に力強い背景を与えているし, 当時の警察の警備ニュースが興行ヒットの要因にもなったろうし, さらに「銃社会こそ喜劇」というテーマに昇華される.
でも, アーサーに感情移入しすぎた観客には是非共感して欲しい感想があって, それは『だからこそ, 僕らにはヒーローが必要なんだ』という事. この意味で本作はアメコミ映画だった. 次の映画を勧めるなら「キックアス」.