映画飲みすぎ

ジョーカーの映画飲みすぎのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.4
ホアキン・フェニックスさんの演技が光っています。社会の仕組みが歪んでいる観点からスポットの当たらない普通で生きていたい人間の生活を平気で壊すことが何故かまかり通っている。日常的にやられ続け相談する相手もおらず、悲しみ痛み憎しみをそのまま悪の道へ向けたのが、ここの "ジョーカー"ではないかと思ってしまう。分断を煽る昨今、"俺が正義だ、いや俺が正義だお前は悪だ、何がだよお前が悪じゃねえか" の行動と言葉の応酬。私から言わせてみれば平和をまるで望んでいないかのような行いに見える。

悲しみ痛み憎しみを他に向けず、自らに飲み込み抑えて時が流れたら忘れる、悲しみ痛み憎しみを他に向けず、他がこのどうしようもない思いに耐えられないはずだから自らもやられて嫌なことは他にもやらないようにしていこう、その思いだけでもひとりまたひとりと増えていけば、そのうち調和が生まれ、争うことが無くなっていくだろう。
自らの心の内側には善の道と悪の道が常に存在する。選ぶのは自分自身。だけど、常に自分自身に目を向けたり自分自身を何よりも優先したり自分以外のものは基本どうでも良いという考え方は悪の道に行くしかない。
常に自分以外のものに目を向けたり自分以外のものと等しい目線で接したり自分自身を無くし他を優先する考え方には善の道への選択肢も浮上するだろう。
でも使い方考え方をどう生かすのかどう動くのかは自分自身の選択にかかってくる。
私は生きているが、生きているとは思っていない。生かされていると思っている。その心がけが芽生えたことで、他に感謝を伝えやすくなった。
この劇中の主人公にはそのような展開はまず望めない。しかし救いは今でもきっとどこかにあるはずだと見ています。
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