れん

ジョーカーのれんのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
2.8
映像美。特にライティングが美しい。

善人として一歩一歩階段を上がっていく生きづらさより、悪人として好き勝手生きていく方が遥かに生きやすいのはよく分かる。殺人をやってしまってはお終いだけれどね。

ただ、ちょっとあまりにも救いようがなさすぎて逆にリアリティなく感じた。アーサーのことを思っている人がたとえ少なくてもいいから、劇中に何人か欲しい。その人たちのことを考えて、善と悪の間で揺れて欲しい。最終的に堕ちてしまうという結末は変わらないにしても。だって、何にもないんだもん。アーサーを善の方に留めておくものが。本当に失うものがなさすぎて、あんまりだよ。

バッドマンを観たのがだいぶ前だったから、あの子どもがそうだったんだ、と決定的なシーンが来るまで気づかなかった。

ところどころ妄想のシーンが挟まるのはさておき、下手すれば全編妄想だったのかな、って可能性も捨てきれないような終わり方だった。怖かったぁ。
れん

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