ふっくー

ジョーカーのふっくーのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.6
本当の悪は、人間の笑顔の中にある。

DC作品として久々にシリアス路線へと戻ってきた社会派ドラマ。
バットマンの永遠のライバルとして原作でも絶大な人気を誇るヴィラン・ジョーカー。
今作はそのジョーカーにスポットが当たった作品であり、なぜジョーカーが悪のカリスマになり得てしまったのかが描かれる。

冒頭で鏡の前で道化のメイクをしながら、両手で口角を持ち上げて強制的に笑顔になるシーンから、ジョーカーの壮絶なる人生(喜劇)は始まったのです。
辛い!!!辛すぎる!!!もう初っ端から辛い!!道化師の格好で不良少年を追いかけて、看板をぶつけられ袋叩きにされる。
荒廃するゴッサム・シティ
脳の損傷から、緊張すると笑いの発作に襲われる
母親は心臓と精神を病み、虚実の曖昧なことを口走る
同僚から「自分の身は自分で守れ」と言われ渡された拳銃を子児病棟での仕事の最中に落としてしまい仕事をクビに。
地下鉄で不良の前で発作の「笑い」が出てしまい
、、

彼の人生はまるで運命のように、全てが上手くいかなかった。誰かに手を差し伸べて欲しかっただけなのに、そのサインを誰も受け止めようとはしなかった。
アーサーの社会に対する不満が徐々に高鳴り始める度に、不気味な音楽と、人間の闇の部分が増大し、遂に壊れてしまう様は恐怖でしかない。

そして彼が夢見ていた「人を笑わせる為にコメディアンになる」とゆう夢が現実になる時がやってくる。
「僕のことは本名ではなくジョーカー(冗談屋)と紹介してくれ」

ホアキン・フェニックスが演じた今回のジョーカー素晴らしかったです。(ヒースレジャーも最高ですが、今作のホアキンもちゃんとしたジョーカーだったし、どちらのジョーカーも別格でした。)。もう悪の存在のはずなのに、可愛そう、悲しみ、ジョーカーを応援したくなる気持ちに溢れる110分。ジョーカーが示した自分を守るためにとった正義は、決して許される行為ではなかったかもしれない。ただそこから覚醒していく様は思わず観ているこちらも雄叫びを上げしまいたくなるラスト12分。。。全てが完璧でした。ラストシーンの血で口紅をつけるシーンが最高に痺れた!!!笑い方、走り方、しぐさ全てにこだわりを感じた。

トッド・フィリップス監督が「この作品は、どのDC作品ともクロスオーバーしないし、するつもりもない。」と明言している通り、まさにクロスオーバー出来ない理由が納得できるくらい完成度が高い。あまり一般受けする作品でもないのかもしれないけど最高に自分は好きです。
バットマンが誕生するきっかけとなる幼少時代のブルースのあまりにも残酷なワンシーンもあり。

今作で1番恐怖を感じたのは、
この現代だからこそ、ジョーカーになり得る可能性が誰しもあるとゆう恐怖が強すぎること。
どうやら海外でも公開される時に「警告」が呼びかけられるほど、現代の闇を前面に浮き出した問題作。これR-15じゃなくてR-18でも全然いいと思う笑。
この映画の楽しみ方は「悲劇」を「喜劇」と捉えるべきか、「喜劇」を「悲劇」と捉えるべきかで違った面白さを見つけられます。

心の病などない。もっと普通の人間のようにちゃんとしてろ。。。世間の目は本当に冷たい。

公開前から大絶賛されていた理由がめちゃくちゃわかりました。
これは近いうちにもう一回観に行くと思います笑。
ホアキン・フェニックスの笑い声が頭から離れません!!!!!!!

PUT ON A HAPPY FACE
ふっくー

ふっくー