木葉

ジョーカーの木葉のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.5
私にとって、救いになる映画だ。
苦しい、
始まった瞬間から悪い予感しかないのに、スクリーンに釘付け。
鑑賞後は、エネルギーを吸い取られ、放心状態、
ただただ苦しいのに、また観たい。
奪う側と、搾取される側と、
貧富の差が広がり、貧困に喘ぐ中で、
なぜ、ジョーカーになったのか、
最大のネタバレである主人公のバックグラウンドや、彼の心の闇や、狂気や、怒りよりも、
映画が始まったら、
もし私が主人公だったら、、
彼の、街の、孤独な人々の気持ちを理解したい気持ちになっていた。
不寛容で無慈悲で無関心な世になりつつある中に
自分が異常なのか、それとも世の中が異常なのか、
世間に裏切られ続け、踏み続けられたら、どうなってしまうか。
闇に生まれた主人公に寄り添いたい。
そしてこの凸凹した社会構造を片隅に生きる人々を闇を考えたい。
一人でも多くの人にジョーカーに向かい合って欲しい。
他者の心の闇の淵を掬いとり合って欲しい。
救いようのない映画が
これほどまで私の心を救ってくれるとは思わなかった。
ジョーカーとして生きたホアキンフェニックスがただただ有り難く、
今もあのラストをずっと考え続けてしまう。
木葉

木葉