このレビューはネタバレを含みます
弱者がひたすら追い込まれ希望を失い、やがて壊れて社会に牙を剥く
どこからどこまでが真実なのか果たして誰が悪いのか
何もかも曖昧なうねりの中で生まれる悪のシンボル
事前情報から相当な社会派作品に仕上がっているのではと構えて挑んだ今作でしたが、
かっこいいカット・印象的な劇伴・センスの良い挿入歌・原作ネタもばっちり入れこんだ映画らしい映画にまとまっていたと思います。
何よりほぼ一人芝居と言ってもいいホアキン・フェニックスの演技が圧巻でした。
スコセッシ作品からの影響が全体を色濃く支配していて、
だからこそロバート・デニーロ本人をあの役に配置した事には少しクドさを感じてしまいます。
シンプルな構造の話だけに終盤何かもうひとつ大きな爆発が欲しかったなと思うところもありますが、
前述した演出の良さでそこはカバー出来ている気がしました。
ラストをシナトラのThat's Lifeで締めくくるのはズルいですね!最高でした。